【魔法区分マジ☆セグ_2012_ハロウィン祭の夜】

ライター:切鎖傭刀
 ――中学生になって初めて迎えるハロウィン祭☆
 教室を衝立で半分に仕切り、簡単な厨房と店内に分けて喫茶店の開店準備。
 机をレースのテーブルクロスで飾り、椅子にカバーを被せれば、本当のお店みたい♪
 小学生の時と全然ちがう。中学ってすごいなぁ――――。

●初めての喫茶店
 奄美日和はウキウキと更衣室で着替えに興じていた。
 この日の為に準備したコスチューム。親友の白倉歌音(しろくら・かのん)と一緒に考案した(殆ど彼女がアイディアを出したのだが)衣装を身に纏う刻を指折り数えて待ち望んだものである。一度デザインとサイズ確認で簡素なペース衣装を着ていたものの、やはり完成したコスチュームに袖を通す瞬間はニヤけるほど嬉しい。
「こんな感じかな?」
 可愛らしく白とピンクで彩られた魔女風の衣装に身を包むと、日和はツインテールのリボンを解く。楽しげに輝く円らな眼差しが捉えるのは、肩幅よりも広い縁の大きな魔女のとんがり帽子。両手で縁を支えるように掬いあげ、頭の上に“ちょこん”と載せる。普段から結い髪が邪魔で帽子を被らないせいか、頭に圧し掛かる布地が少し重かった。心躍るままに“くるり”ターンを決めると、かぼちゃ風のピンクのスカートと肩のケープが“ふわり”舞う。
「えへへ☆ 魔法少女みたい♪ こんなデザインもよかったなぁ」
 彼女は人知れず化物と戦う魔法少女。しかし、十七歳に成長した“むっちり”ボディーでは、いささかデザインが幼いかもしれない。それはともかくとして、早く歌音ちゃんに見せよう。
 女子更衣室は順番に着替えて衣装を披露するファッションショーのイベントと化していた。ゆえに日和はまだ親友やクラスメイトに衣装を披露していない。
「はうぅ〜、歌音ちゃんに早く見せたいけど、皆に見られるのは恥ずかしいよぉ」
 そんな心境に見舞われた時だった。ロッカーに隔てられた一郭から少女たちの黄色いどよめきがあがる。
『きゃー! 白倉さんえろーい☆』『これヤバいってぇw』『でも似合ってんじゃん♪』
「ふえっ? 歌音ちゃん!?」
 ロッカーの端へ向かい顔を覗かせた日和は、唖然と瞳を見開いた。眼差しに映るのは、ハロウィンのパンプキンをイメージした黄色のチューブトップと、日和のかぼちゃ風スカートにデザインの近い超ギリギリな黄色のミニスカート姿の歌音。膝上までを包む蝙蝠柄の黄色のニーソックスはキュートなものの、太腿を伝うガーターベルトの黒い光沢は艶めかしく、柔肌の過剰な露出がエロい。中学生にしては胸も大きく、女子中学生の平均的な身長とはいえ、抜群のスタイルは否応にも危うい色香を感じさせずにいられなかった。
「か、歌音ちゃんっ!?」
「ひ、日和っ!?」
 歌音は弾けるようにツインテールを揺らしながら振り向き、羞恥に染まる可憐な美貌の瞳を見開いた。その顔色から恥じらいの色は掻き消え、ただ呆然と頬を火照らせて日和の魔女コスプレ姿と見惚れる。
 完璧だった。アンバランスなほど大きな赤いリボンで飾られたピンクの先折れとんがり帽子に、愛らしい美貌が良く似合う。ケープを纏う白いブラウスの胸元を赤い大きなリボンが彩っており、余り気味にダボついた袖口もキュートだ。ピンクのカボチャ風のスカートも愛らしく、同色のニーソックスが太腿に“むちっ”と食い込むさまや、絶対領域の柔肌も眩しい。足元を彩る赤い靴に施された翼のようなピンクの装飾もメルヘンチックだ。なにより、セミロングに下ろしたヘアースタイルに新鮮さを感じずにいられない。
 ――かッ、可愛いぜっ日和っ!! 大きなリボンがプレゼントみたいで持ち帰りてえぇっ!!
 もはや歌音の願望が具現したデザインといえよう。至る箇所にリボンが施されているのも『彼女』の趣味だ。さぞ笑顔が眩しいに違いない。だが、“たたたっ”と駆け込む日和の表情は怒り気味な困惑に彩られていた。
「歌音ちゃんっ、どうしてこんな恰好を……。こ、この衣装でウエイトレスやるつもりなの?」
「へへ……☆ に、似合う、だろ?」
 戸惑い色濃く“にへら”と微笑み、ぎこちないセクシーポーズで腰を捻り、後頭部に手を運ぶ。
「へへ……じゃないよっ! これもうビキニと一緒じゃんっ! わっ、胸のところ穴が開いてるしっ」
 とんがり帽子を手で押さえながら前屈みに、歌音の胸を凝視する。チューブトップに窺えるハロウィンのパンプキンを模した眼のくり抜きから、発育豊かな柔肌の膨らみが覗いていた。胸の先端は見えないものの、見ている方が恥ずかしくなるほど際どい。そんな日和の困惑を弾けさせるさまをクラスメイトが嗤う。
「奄美さん大袈裟ぁ☆ 露出あるけどさー、白倉さんが衣装を決めてなかったから悪いんだよ♪」
 どうやら模擬店の衣装を決めていなかった為、客寄せを兼ねてセクシーさを押し出した衣装を着る羽目になったらしい。だが、その経過を知らない日和はショックに顔色を曇らせた。
「えっ? それって、わたしの衣装の相談に乗ってたせい?」
「ち、違うって、日和は悪くねぇよ。裁縫係に釘ぃ刺されてたんだよ、な……。明日まで決めなきゃコッチで作った衣装を着てもらうってさ……そのことオレすっかり忘れててよ……ははっ☆」
 バツが悪そうに視線を逸らし、頬を掻きながら苦笑する。もちろん、この経緯にはクラスメイトたちの思惑もあった。指定された“明日”になっても歌音に再確認を促さなかったのである。裁縫係にしてみれば、デザインを考案する時間も費やしたし、構想を無駄にしたくなかったのであろう。もっとも、最大の理由は、バツゲーム的な楽しみであり、彼女のセクシーな姿を見たいという単純な理由に違いない。
「だからよ、日和が責任を感じるこたぁーねーんだよ☆」
 いつものように満面の笑みで“ニカっ”と笑う。それでも日和は容易に納得できなかったが、状況が変わるとは思えず、彼女の潔さに上目遣いの微笑みで応えた。
「うん……ごめんね☆ でも、すごく似合ってるよ花音ちゃん。それに、ツインテールも♪」
 女の子として髪型の変化は気づいてあげて褒めなければならない。お世辞や礼儀ではなく、日和は本当に似合っていると思った。ただ、衣装のインパクトに伝えるタイミングを失っていたのだ。
「へへ☆ 日和に褒めてもらえると嬉しいな。日和の下ろした髪も可愛いぜ♪」
「えへへ☆ そーかなぁ♪」
 ……なにこのバカップルみたいな空気。更衣室の誰もが呆れたことだろう。しかし、互いに褒め合い照れる様子を生温かく見ているほど暇ではない。
「さあ、ウエイトレスは教室に行った行った! お客さん来る前に打ち合わせるよ!」
 実行委員の一声に女子が動き出す。ハロウィン喫茶店は、始まりの刻を迎えようとしていた――――。

 ―― 時刻は十時。
 一般客の入場に校内が解放されるものの、生徒の数の方が多い。そんな中、天城紫(あまぎ・ゆかり)と橿原隼鷹は、中等部の賑やかな廊下を歩いていた。駆け回る男子生徒は呆れるほど無邪気で、子供っぽさを感じずにいられない。対する女子生徒は幼さが色濃いものの、男子ほど子供っぽさが感じられず、隼鷹をジェネーションギャップに見舞う。
「なんか俺が中房ん時より、女の子が大人っぽいなぁ」
「早々に中学生のコに欲情してるのかしら? 自制心に期待しておくわ」
 視線も流さず、抑揚のない響きで紫がクールに応えた。否定に声を荒げるところだが、少年は溜息で返す。
「ゆかりちゃんは俺をそんな風に見てたのかよ。確かに歌音みたいにスタイル良いけど……じゃなくて、化粧してるコがいたりさ、三年も経つと時代も変わるもんだなぁって話だよっ」
「そんなの普通よ。中学生の隼鷹くんが子供だっただけじゃないかしら? 女の子は男の子より成長が早いのよ」
「成長ねぇ(ゆかりちゃんは中学生みたいな体型してるけど……女の子の成長って響きはエロいなぁ。詳しく問い質したいところだが、中等部の生徒に蹴られるところでも見られたら通学が憂鬱だ、ここは我慢しよう。それはともかく、周囲の女子が羨望の眼差しを向けているのだが、俺じゃないよな?)」
 遠巻きに女子中学生のどよめきが届き、戸惑わずにいられない。だが、すぐに要因は掴めた。
『ねえっ、あれ、アイドルの“ゆかりん”じゃない?』
『うそマジぃ!? 高等部の先輩って知ってたけど、中等部の出し物を見に来てるなんてぇ☆』
『サイン頼んだらダメかな?』
『ゆかりん超クール〜♪ でもあの高等部の男子なんなの? 一緒に歩いてるんだけど……』
『まさか、ゆかりん先輩のカレシぃ?』
『マジ!? それヤバくない? マジありえないんだけどっ』
 ……せめて俺のことも先輩と言えないものだろうか――――と、隼鷹は苦笑いを浮かべながら紫の横顔を窺い、今更ながらアイドルと行動を共にしているのだと実感した。表情に乏しいながらも凛とした可憐な美貌、小柄な背中でサラリと揺れる艶やかな長い黒髪、改めて思えば色香も増した気がする。仄かに頬を戸惑うように紅潮させるさまも悩ましい。
「……視線が気になるのだけど、なにかしら?」
「あっ? あぁ、女子の視線か? そりゃあアイドルの……」
「じゃなくて、あなたの視線よっ。変な妄想はやめてくれるかしら?」
 どんだけ妄想してんだ俺……。否、ある意味、色々と妄想していたかもしれない。そんな風に思い返していると、彼女が視線を向ける。
「そういえば、勇魚さんも来るのかしら?」
「ああ、日和ちゃんのクラスが喫茶店やるって聞いてから、『よし、任せて』とか張り切ってたぜ? 俺の部屋から本を借りてったみたいだけど、仮装して来るんじゃないかなぁ」
「借りていったみたい?」
「俺そんときゲームしてたから、なんの本を持ってったか……」
 髪を掻きながら苦笑すると、紫は呆れたように溜息を漏らす。
「でも、隼鷹くんがファッション誌を読んでいたのは意外ね」
 彼は口を噤んだ。ちょっとエロい漫画雑誌や、悪友から強制的に譲渡されたギャルゲーの攻略本しか持っていないなんて言えない。そんな中、日和たちの教室――ハロウィン仮装喫茶店に辿り着く。というか、廊下から中を窺う男子の数が半端ない。ドアや壁の装飾はクオリティが低いものの、仮装のレベルは高いのだろうか。開け放たれたドアのカーテンらしきものを潜ると――――。
「いらっしゃいませー☆」
「よ☆ 紫姉(ネー)と隼鷹兄(ニー)、いらっしゃい♪」

奄美日和と白倉歌音/二等辺三角形

 とても可愛らしい魔女コスの日和と、とてもエロい花音が驚愕の眼差しに捉えられた。……ていうかなんの仮装なんだと暫し呆然と凝視せずにいられない。胸の谷間が大胆に覗く黄色の繊維に肩紐らしきものは窺えず、ズリ落ちてしまわないかと余計な心配をさせる。じっくりと見れば、眼のような隙間から柔肌が覗いているではないかっ。腰のスカートなんて丈がギリギリで、なにより下腹部が覗くローライズ仕様は、パンティーを穿いてないのかと疑うほどに危うい。否、ガーターベルトが見えるから穿いているのだろうが、どんだけマイクロな下着を纏っているというのだっ。後ろから見たらハンケツじゃないのか? 危険すぎるぜ歌音っ!! 黒い手袋もアダルトだっ!!
「こんにちは。店番までまだ時間があるから覗きに来たわ。二人とも可愛い仮装ね☆」
 おいっ!? 隼鷹は弾けるように紫へ眼差しを向けた。そりゃ日和ちゃんは小学生に見紛うほど可愛らしいが、歌音は可愛いってレベルじゃないだろう。
「へへ☆ 隼鷹兄、これどーよ♪」
 ズイと少年に迫り、上目遣いではにかみながら括れた腰を捻り、頬を仄かに染めて感想を求めた。それはつまり彼の眼下に胸の膨らみが晒されることに等しく、心細い繊維に“むにゅっ”と寄せられた瑞々しい柔らかそうな谷間に“ごくり”生唾を呑み、焦らずにいられない。
「あ、あぁ……よく似合ってるぜ? サキュバスのコスプレか?」
 途端に歌音の期待を込めた眼差しが不満の色を湛える。
「どこ見てんだよっ!? 隼鷹兄もオレの身体しか見てねぇのかよぉっ!!」
「ばっ! 声でけえよっ!」
 彼は水菜学園高等部の制服姿だ。会話から知り合いと窺えるものの、中等部の女子を性的に見ていたと思われるのは今後の学園ライフに多大な影響を与えかねない。
「けっ! 隼鷹兄の、えっち〜♪」
 ニカっと悪戯っぽく笑い、ツインテールに優麗な孤を描いてソッポを向く歌音。
「けどよ……衣装、褒めてくれてアリガト、な☆」
 不満の色を浮かべたものの、素直に嬉しかったらしい。視線を流さず照れたようにはにかむ美貌が、とても可愛いと思った。周囲の危険分子を見るような女子の視線は気になるが、少しホッとする。そんな安堵の中、紫が彼の腰に肘鉄を見舞う。
「バカね、あれはどう見ても髪型の感想を求めてたのよ。日和も分も含めて、席に着いたら褒めてあげるのね」
 あぁ……と、隼鷹はバツが悪そうに髪を掻く。コスチュームのインパクトに眼が集中してしまい、気づいてやれなかった。案内に誘われて席に着くと、聞き慣れた少年の声が呼ぶ。
「やあ、橿原クン♪」
 隼鷹たちの席へ歩いて来るのは、女子生徒の視線を一身に集める美少年だ。
「みッ、岬沖っ!? どうしておまえが……」
「んん? 中等部の出店を見ちゃいけない規則はないでしょ? まあ、すごい恰好した巨乳のコがいるって小耳に挟んだから遊びに来たんだけど、ポニテちゃんだったんだねぇ。あ、魔女っ子ちゃん、椅子の追加いいかな?」
「あっ、はいっ!」
 日和が頬を染めたまま応じようとする中、彼女の挙動を歌音が制す。岬沖瑞鶴(みさきおき・ずいかく)を睨む眼差しは敵意が剥き出しだ。初対面の印象も最悪だったといえよう。
「悪いけど、この席は予約済みでね。案内された席にお戻り下さいませ、お・きゃ・く・さ・まっ」
 嫌味たっぷりに威嚇する。だが、こんなことで引き下がる瑞鶴ではない。
「OKOK、同級生の親友と話がしたいだけだよ。それくらいは喫茶店でも認めてくれるでしょ?」
「くっ! 隼鷹兄が戻れって言えば、席に帰ってもらうぜ」
 花音の眼差しが隼鷹へ加勢を求める。もちろん彼とて瑞鶴には戻ってほしかった。しかし、簡単に帰す理由が見つからない。何故なら無駄にルックスの良い少年はギャルゲマスター。説得力のある会話で彼に勝てた試しがない。視線を察したのか、紫が静かに唇を開く。
「私は構わないわ。さっさと用件を言わせたら?」
「ゆかりちゃんっ」
 隼鷹が危惧していたのは彼女の存在。美少年は不敵に微笑み、机に肘を突いて腰を屈めた。
「校内でも一緒だなんて、アイドルとしてマズくないのかな? 忠告した筈だけど忘れ……」
「私たち、ハロウィン祭の実行委員なの。それに、後輩のコたちとは知り合いだし、あと一人は増える予定よ。だから二人っきりなわけじゃないし、あなたにとやかく言われる筋合いもないわ。まあ、私としては隼鷹くんと二人っきりでお茶を愉しんでもいいのだけど……マスコミにでも話す?」
 さながら戦闘マシンのように淡々と抑揚のない響きで紡ぎ、瑞鶴に視線を流しながら薄く微笑んだ。いつになく勝ち気で挑発的な彼女に、隼鷹は戸惑わずにいられない。
 ――な、なに言ってんだよ、ゆかりちゃん? 幾ら売り言葉に買い言葉だからって……っ!
「ふーん、橿原クンのこと本気なんだ?」
「以前も伝えた筈よ? 決断するのは彼――隼鷹くんだって……」
 視線が呆然とする少年に集う。幸いだったのは、囃し立てる者がいなかったことだろうか。否、いつ均衡が崩れるとも限らない。瑞鶴が決断を求めたとしたら、なんと答えるべきか?
『おおぉーーーっ!!』
 そんな心臓バクバクな沈黙に、男子生徒たちがどよめく。囃し立てる声を予感した次の瞬間――――。
「ハァっ、ハァっ、おまたせ☆ ジュン、紫……っ」
「うわああああぁぁっ!?」
 聞き慣れた声に眼差しを向けた途端、隼鷹は驚愕の絶叫をあげた。教室に飛び込んできたのは、ウェディングドレス姿の橿原勇魚(かしはら・いさな)である。否、純白の花嫁衣装に見紛うが、ヴェールも無ければ微妙に違う。今にも“ぽろり”零れそうなまでに曝け出された過激な胸元、ドレスの丈は長いものの、何故か両脚がシースルーの繊維から大胆に覗き、太腿まで切れ込み深いスリットが施されたデザインがエロい。しかも背中に薄青の蝶の羽根が付いているではないかっ。この衣装に隼鷹は見覚えがあった。記憶を探る中、瑞鶴が歓喜に吠える。
「こ、これはッ! 妖精姫イグーリアの陥落ウェディングドレスじゃないかっ!! パソコン版では胸元がオープンで、両手を鎖で拘束されたままの立ちバックが……っ」
「おおお落ち着けっ、岬沖っ!! 爽やかなルックスでなんてこと叫んでんだよっ!!」
 そう、この衣装は隼鷹の部屋にあったギャルゲー攻略本に描かれていたデザインだった。しかもパソコン版とやらは、あんなことやこんなことをするイベントがあり、分かり易く伝えても普通にコスプレするのも恥ずかしいエロい衣装ということに他ならない。それに勇魚は細身でありながら胸がでかい。お姉さん属性の凛とした美貌も相俟って、中高生には刺激が強過ぎる光景といえよう。走って来たせいで胸元はギリギリだっ、シースルーから覗く繊維がショーツではないと祈りたいっ。
「驚かせちゃったみたいね、妖精ってこんなのだったっけ?」
 そりゃ色んな意味で驚くわ。殆どの中房男子が前屈みじゃないかっ。
 さすがに勇魚は戸惑いの色を浮かべているものの、チャレンジャーすぎるぜ従姉(ねえ)さん。
「確かに妖精で間違ってないけど、まさか家からこの衣装で来たんじゃないよな?」
「まさか☆ これでも去年まで在学生よ? 水泳部の更衣室で着替えたわ♪」
 まさかと思うような衣装なら着るなよ……と指摘したくてたまらなかった。
 かくして、歌音と勇魚のダブルセクシー効果で、交代時間までハロウィン喫茶は大盛況だった……。

●白い悪魔とハプニング(祝! 前回人気投票一位)
「ここがジュンたちのクラスね」
 アブナイ花嫁ドレスの勇魚を筆頭に、魔女っコ日和とセクシーパンプキン花音が訪れたのは高等部棟の教室。紫と隼鷹のクラスである。ドアの前にはダンボールに紙を貼って装飾を施した『ハロウィン雑貨店』の看板が立てられていた。どうやら、ハロウィンの小物やお菓子を販売する模擬店らしい。
「どんなお店なのか楽しみだね☆ 歌音ちゃん♪」
「あ、あぁ……そうだな☆」
 いつもの“ニカっ”とした笑みを返すものの、両腕で胸元の豊かな膨らみを庇うツインテール少女の表情はぎこちない。可憐な美貌は羞恥に染まり、後悔の色が滲んでいた。紫に、仮装していれば売り子体験ができると言われて“そのまま”向かったわけだが、喫茶店を模した教室とは比較にならないほど好奇な眼に晒され、さすがに恥ずかしくなったのだ。外を歩けば風も吹き、マイクロミニスカートのお尻を庇えば、挙動の度に“たゆんっ”と弾む胸の膨らみに男子たちの視線が痛いほど突き刺さった。当初は「そんなにオレを見て楽しいのかよ〜」なんて戸惑いを覗かせたものの、遠慮のない視線が胸に脚やお尻へと注がれ、薄気味悪さを覚えた途端、引き返したい衝動に駆られたものである。そんな中でも毅然とした足取りで歩く勇魚に、大人の余裕を感じずにいられなかった(もっとも、彼女は天然属性ゆえといえるのだが……)。
「さーて、売り子をやらせてくれるなんて粋な計らいじゃない♪ ハロウィン祭を楽しむわよっ☆ トリックオアトリート! ……って、こっちが言われるんだっけ?」
 お決まりのキーワードを紡ぎながら教室へ足を踏み入れると、白い物体が飛び込んできた。勇魚が「きゃっ」と小さな悲鳴をあげて躱す中、それが白いフェレットだと気づく。短い四肢を広げて宙を舞う姿から『うぅおぉ菓子をくぅれてもぉ悪戯すぅるぞぉぉう!!』とナイスミドルの独特なイントネーションのハスキーボイスが聞こえそうだ。紫のナビ――マキアは日和の薄い胸元にしがみ付き、服の中に潜り込もうと企むものの、魔女っコ衣装に隙がない。
『うぬ゛ぬ゛ぅぅっ! 人気投票一位のぉ我の思惑を凌ぐとはぁ、不届き千万なのでぇあぁ〜るぅ』なんて心の声が届きそうなほど悔しそうだ。
「マキア、来てたんだね♪ やんっ、くすぐったいよぉ☆」
 日和はフェレットの邪な悪意に気づいておらず、両腕で抱きながら落ちないように支えた。マキアは薄い膨らみ掛けの胸元を“ぷにゅぷに”と短い両手で弄りながら、襟の大きなリボンを見上げる。そんな白い悪魔の襲来に危険を感じた花音が日和へ駆け寄り、前屈みに小動物を睨みながら手を伸ばす。
「あーっ! マキアてめえ、また日和にしがみ付きやがってぇっ!」
「あんっ、だめえっ、リボンが解けちゃうっ」
 胸元を飾る赤い大きなリボンが解けそうになると、くすぐったさも相俟って自ら両手で引き剥がした。足掻くマキアの爪が歌音の胸元を庇う黄色のチューブトップに引っ掛かり、繊維を払う。次の瞬間、二つの瑞々しい膨らみが“ぷるんっ”と弾みながら曝け出された。
「ひぃっ!? うわあぁっ!!」
 花音は真っ赤に染まり、括れた腰まで落ちた繊維を慌てて引き上げる。だが、それが拙かった。中学一年にして大きな胸は膨らみに引っ掛かり、隠す筈の柔肌を“むにゅうっ”と押し上げてしまう。途端に涙目の美貌が“かあぁぁぁっ”と茹でダコのように染まった。
「か、歌音ちゃんっ落ち着いて!」
 狼狽しつつも両手を歌音の胸元へ伸ばして周囲の眼から庇う。しかし、教室へ入る間際だった為、廊下にいる生徒の何人かに滑稽な痴態を見られたに違いない。
「マキアっ! てんめえぇぇっ!」
 歌音は胸の膨らみを片腕で庇い、フェレットを引っ掴むと渾身の力で放り投げた。
「ばっきゃろーっ!! うわーっ、見るなー!!」
 胸元を両腕で抱きながら脱兎のごとく逃げ出す中、日和は慌てて追い掛ける。
「歌音ちゃんっ! 逃げる前におっぱい戻そうよぉっ」

 ――マキアがセクハラに興じようとする数刻前。
 紫は衝立で仕切られた控えの一郭で、隼鷹にコスプレを手伝ってもらっていた。と言っても、衣服を着せてもらう背徳的な光景ではない。それでも二人っきりで狭い空間を共有する状況はドキドキさせた。彼女はいわゆる黒猫娘をイメージしたワンピースを細身に纏い、椅子に座ったまま彼へ手を伸ばしている。少年はお嬢様に従う執事のように跪き、モコモコ繊維のネコ肉球グローブを薄手の長手袋に覆われた指に嵌めようとしていた。しかし、見てはいけないと思いつつも眼差しが泳いでしまう。お尻から伸びた黒い猫尻尾も小悪魔チックで、スカートはショーツが覗いてしまいそうなほどに短く、オーバーニーソックスに包まれたしなやかな脚線美と裏腹に“むちっ”とした太腿の肉感に鼓動が高鳴らずにいられない。だが、ノースリーブのワンピース衣装は更に刺激的といえよう。
『きゃっ』
『わっ! マキア、来てたんだね♪ やんっ、くすぐったいよぉ☆』
『あーっ! マキアてめえ、また日和にしがみ付きやがってぇっ!』
『あんっ、だめえっ、リボンが解けちゃうっ』
『ひぃっ!? うわあぁっ!!』
 聞き慣れた声や絶叫が届く中、紫は“クスリ”笑い、ゆったりと脚を組んだ。隼鷹の「わっ」と焦る声に眼差しを下ろす。短いスカートから股間が覗いたかもしれないことに気づいていないようだ。
「またマキアが何かしたみたいね……。どうかしたの?」
「ど、どうかって……っ!」
 頭上から問われ、少年は動揺を露に顔をあげた。そして再び焦る。彼女のワンピースは首の後ろで結ばれたいわゆるホルターネック。しかも繊維は過激なまでに薄く、華奢な身体のラインが、はっきりと浮き出るほど吸いついていた。薄い膨らみが覗く胸元も際どく、過剰なまでに柔肌が晒される衣装は、一言で形容するならエロい。それに、下着の類いが見えないのだから、少年の理性を脅かす破壊力は絶大だ。頭に載せた猫耳カチューシャがキュートなものの、頬を仄かに紅潮させて悪戯っぽく微笑む美貌は、発情真っ盛りなエロ猫モードといえよう。過激な衣装ゆえか、危うい色香を感じずにいられない。
「早く……して?」
「はいっ!?」
「猫の手グローブ、一人じゃ嵌められないからお願いしたのだけど……今、違うこと考えてた?」
 紫も冷静さを装いながら、ドキドキしていた。ノーブラに薄布一枚の縛りを小首に預ける危うさに感化され、挑発する度に“きゅん”としてしまう。彼女は視覚性感体質であり、触覚性感体質のヘンタイさんだ。頭の中がのぼせたように“ぽぉ〜”として、えっちなことが脳裏を過ぎるだけで繊維に擦れる敏感な部分を刺激されずにいられない。
「ねぇ、隼鷹くんはハニーや勇魚さんのコト、どう思っているの?」
「はぁっ!? い、いきなりなんだよっ。どう思ってるって……勇魚姉さんは従姉だし……居候っていうか、ちょっと困った放っておけない姉って感じだけど……ハニーさんは……っ」
 困惑を表すように、紫の手に嵌めようとする猫グローブが小刻みに震えていた。
「……私のコトは?」
 頭上からの熱っぽい声に、無言のまま弾けるように眼差しを向けてしまう。
「その……あんな噂が立って隼鷹くんはどう思ってるのかなって……他に好きな人いるなら迷惑でしょうし……ん」
 視線を注がれ、瞳を逸らすものの敏感な部分を刺激され、耐えきれず小さな吐息を切なげに漏らした。
「ゆかり、ちゃん?(おいおいっ、どうしちまったんだよっ? まさかエロい衣装に当てられたのか? いつもクールなゆかりちゃんはどうしたんだよっ? ツンデレ通り越してデレデレじゃねーかっ) あんな噂って、ゆかりちゃんと俺が、付き合ってるって……」
『ばっきゃろーっ!!』
 花音の一際大きな絶叫が響いた次の瞬間、壁に鈍い音が弾け、衝立を越えて白いボロ雑巾のような物体が落下する。気絶したマキアは傍の机に弾け、硝子カップの破片を散らした。
「危ないっ!!」
「え……っ?」
 紫を庇うべく飛び込んだ衝撃に彼女の座る椅子が後ろへ傾く。体勢を崩して仰け反った刹那、“ぷつん”と首の後ろでリボンが解ける音が漏れた。前掛けがはだけるかのごとく薄い繊維が捲れる中、少女は仰向けに倒れ込んだ。曝け出された半裸の肢体に、白い粘液が“たぱぱっ”と降り注ぐ。
「んあぁんっ! はひっ! あんっ!」
 硝子カップに入っていた特濃練乳が柔肌を打つ度、彼女は“ビクビクンっ”と弾けながら悩ましく裸身を悶えさせた。隼鷹が捉える光景は、形容し難いほどエロい状態といえよう。粘っこい練乳に塗れながらぐったりと放心するさまは、まるで……。い、否っ、さながら悪戯した子猫ちゃんが仰向けのままショックで呆然としているようだっ。大股開きで、肉球グローブの両手を蕩けた美貌の横で肩幅に広げるさまは、子猫のポーズに他ならないっ。なのにゆかりちゃんは粘液が薄い膨らみを滑り落ちる度に“ビクビク”震え、悩ましい吐息を漏らすから困る。
「はっ☆ はっ☆ んっ! はふっ」
 ……おいっ、誰かこの発情エロ猫娘をとめろっ。そんな中、聞き間違えもしないハスキーボイスが囁く。
『少年んん〜、あとで紫の痴態を写メでヨロ★ アドレスはコレ』
 息を吹き返したマキアは逃げるように退散した。どうやら紫のメルアドらしいが、今の彼が知る由もない。
「あ……だ、大丈夫か? ……ったくマキアのやつ」
 視線を逸らしながら安否を気遣う。
「ハァ……ハァ……ん、なんか言ってた?」
「マキアか? ひでぇぞ? 写メを撮ってくれだってさ」
 わざと隼鷹は告げた。彼女に自分の状態を知ってほしいという意図に他ならない。頭を打ったのかもしれないが、慌てて跳ね起き、背中を向けてくれることを願っての算段といえよう。だが――――。
「……ねぇ、その……拭いてくれない? こんな手だし……アナタがしたいなら悪戯してもいいわよ……? 写メ、撮る……?」
 いわゆる“にゃんにゃん”ポーズの媚びるような濡れた眼差しで所望してきやがった。戸惑いながらも凝視すると、彼女の頬が朱に染まる。拭いてほしいと願うのは練乳に違いない。つまりそれは、小さなお椀のような胸の膨らみに触れることになる。シロップに塗れた小振りなプリンの頂で、小粒なチェリーが高揚に膨らむ。少年は思わず生唾を呑んだ。繊細で華奢な粘液塗れの肢体もエロ可愛い。
 隼鷹と紫は少しだけ親睦を深めた――――。

●萌葱のハロウィン祭
 下校時間を迎えると、隼鷹は萌葱の繁華街へ繰り出した。同行するのは、危ういウェディングドレスに着飾る勇魚と、魔女っコ日和の二名である。歌音も一緒に行く予定だったが、校内であられもない姿を晒したショックが拭いきれず、落ち着いてから合流するとのことだった。紫は疲れたので少し休んでから向かうらしい。
「あっ、コットンキャンディちゃんっ!!」
 大声でハンドルネームのような名前を叫べる日和は逞しいと思う。ブンブンと手を振る人混みの先に捉えたのは、黒い帽子に黒マントの魔女っコ。スカートは膝丈までの長さで、ふわふわした柔らかな繊維が可愛らしい。コットンキャンディ――五十嵐ありす(いがらし・ありす)は笑顔で応え、肘に下げるバスケットケースを人波から庇いながら小走りに駆けつける。頬を赤らめた十五歳の可憐な少女は嬉しそうだ。
「えへへ☆ トリックオアトリート! だよね♪」
「うんっ」
「「トリックオアトリート!」」
 あはははっ☆ と二人が両手を合わせて“ピョンピョン”跳ねながら楽しそうに笑う。精神年齢のシンクロ率が半端ない。それにしても、彼女はいつになったら正体を明かしてくれるのだろう? ……ていうか、十七歳の“むっちり”ボディーのマジカルひよりんしか知らない筈だが、すぐに日和を仲間だと察した順応力はたいしたものだ。
「どんな格好でも似合いそうだから、会うの楽しみにしてたけど可愛いね☆」
 穢れを知らない瞳には、破廉恥な花嫁衣装も可愛く見えるらしい。
「コットンキャンディちゃんも可愛いよ☆ 魔女っコ同士だね♪ ところでこのバスケットはなに?」
 ピクニックに持参するようなケースの中身が気になって仕方がない。興味本位というよりは不安。日和たち三名は、なにも持参していなかった。コットンキャンディは悪戯っぽく「えへへ☆」と微笑み、ケースを開く。中に敷き詰められているのは、カラフルに包装された沢山の飴玉だ。
「じゃーん! フルーツキャンディだよっ、みんなのお菓子と交換するんだ♪」
「えっ? みんなのお菓子?」
 貰う立場と信じて疑わなかった十四歳の日和はキョトンとしてしまう。
「うんっ、そうだよ☆ 病院の中でもテレビで見てたからハロウィンのこと知ってるんだ♪ でも実際に体験するのははじめて! お菓子を貰った子供たちと交換して、みんなと友達になるの!」
 どうやらみんなとは、町の子供たち“みんな”を示しているようだ。話を聞いていた勇魚が微笑む。
「忙しくなりそうね☆ 私たちのことは気にしないで二人で行ってらっしゃい♪」
「あ、ああ、そうだな。二人とも気をつけるんだぞ?」
「「はーい!!」」
 魔女っコたちは手を挙げて応えると、楽しそうに駆けだして人混みに紛れた。隼鷹は勇魚と見守りながら、子供をもつ親の気持ちを感じずにいられない。そんな中、ひんやりとした手が少年の指に絡みついた。
「っ!? 勇魚、姉さん?」
「トリックオアトリート、か……。こうして手をつなぐと恋人みたいよねー♪ なんて」
 悪戯っぽい眼差しで微笑まれ、隼鷹の心臓はバクバクだ。なにこの子供たちを追い出してラブラブモードを求める新妻のようにシチュエーション。
「そ、そうかな? 少なくとも姉さんは花嫁に見えるけど……」
「花嫁にトリックしちゃう? ジュンなら悪戯してもいいわよ☆」
 ――アナタがしたいなら悪戯してもいいわよ……?
 脳裏でリフレインする紫の声……。なにこのハーレムフラグ。ハロウィンは女性を魔性に変える効力でもあるのだろうか? そりゃ勇魚姉さんが許すのなら、大胆に覗くたわわな胸の谷間に指を射し込みたい衝動もないわけじゃない。……公衆の面前でやるような行為でもなければ度胸もないけど。しかしだがしかしだ! 衝動のままに突っ走った先になにが待つ? 誘惑に溺れ、引き返せなくなったら……。
 多分、二人のいずれかに殺されそうだ。蔭口で『隼鷹しね』なんて言われ捲る愚かな少年になりかねない。
「ねぇ……ジュンは私のこと好き?」
「えっ? な、なんだよ改まって……そりゃ……」
「好きなら……今度、大事な話があるの。私も覚悟決めたから♪」
 返事を待たずに勇魚は告げた。少年の手を握る冷たい温もりが“ぎゅっ”と強まる。
 大事な話? 覚悟? 目の前の彼女からは結婚しかイメージできないが、今度、ということは、今の仮装はハロウィンの装い以上の意味はなさそうだ。でも好きなら話す大事なことって……。
「勇魚……姉さん……俺……」
「あっ、ハロウィンのパレードが来たわ! この話はお終い☆ 時間まで楽しみましょ♪」
 仮装した行列を捉え、勇魚は指差しながら少年の手を引く。彼女の優麗に靡くロングヘアーと大胆に覗く背中を見つめ、隼鷹は困惑の色を微笑みに塗り替えた。一気に加速して追い着くと、握る手を優しく払い、ウェディングドレスの少女を抱え上げてそのまま走る。
「きゃっ! ち、ちょっとジュンっ!?」
 前触れもなく“お姫様だっこ”されて困惑に頬を染めた。ドレスが“アレ”なだけに、色々と見えてしまいそうだし、少年の駆ける振動で、“ゆっさ”“ゆっさ”と弾む胸の膨らみにも不安が募る。
「やっ、そんなに激しく揺すられたら、見えちゃ……っ」
「なんか言った? パレード見たいんだろ? こっちの方が速いって♪」
 前を向いたまま息を弾ませる隼鷹を見上げると、誘われるように両手を彼の首へ回して瞼を伏せた。
「もうっ、恥ずかしいじゃない……転んだら許さないからっ☆」
 彼の温もりを感じながら少女は思う。このまま時間が止まってしまえばいいと――――。

●魔法の真相
 夜の帳が下りると、ハロウィン祭の仮装パレードは賑わいのピークを迎えていた。
 マジカルひよりんとコットンキャンディは、待ち合わせ場所に指定されたビルの屋上から眼下の萌葱大通りを眺め、仮装した子供たちの駆け回る姿を捉えながら楽しそうに満面の笑みを咲かせている。
「あの子供たちの中に、コットンキャンディちゃんと友達になったコもいるかもしれないね☆」
「えへへ☆ トリックオアトリートいっぱいしたもんね♪」
「うんっ、いっぱいしたね☆」
 二人はハロウィンの仮装を解き、今は魔法少女――マジカルエンプロイヤーの姿だ。日和は十七歳の“むっちり”ボディーに成長を遂げ、豊かに膨らんだ胸を強調するピンクのドレスを纏っている。コットンキャンディは変身した状態で仮装していた為、一旦物陰に隠れて着替えたわけだが、不便と捉えるべきか当然の成り行きか微妙なところだ。現在の彼女は女の子の憧れを具現化したようなロマンチックで可愛らしいワンピースを纏っている。そんな中、ふと可憐な美貌を哀しそうに曇らせた。
「ど、どうしたのっ!?」
「……パディトリーが出ちゃうんだよね? せっかくのお祭りだもん、台無しになんてしたくないよ」
 日和の夢が現実になるなら、この町にパディトリーが出現してしまう。ひよりんは、なんと言えばいいのか分からず、困惑の色を滲ませた。するとコットンキャンディが、胸元で“ぐっ”と両手を固め、真剣な眼差しを向ける。
「だから、できるだけ早く! なんとかするよ! わたし、まだマジカルエンプロイヤーになりたてでわからない事がたくさんある。でもこれは本当だよ、わたしはわたしに出来る事を、やりたい! それが今のわたしの全てなの!」
「うんっ、そうだね!」
 二人は見合いながら満面の笑みを咲かせた。そんな少女たちを穏やかに見守る人影が四つ。
「日和、コットンキャンディが来てから、少し変わったわね♪」
「ああ、やっぱ日和は笑ってた方が可愛いぜ!」
 艶めかしいビキニアーマーのヴァッサァリヒテと、ミニスカドレスにはち切れそうなナイスパディを包むリリカル☆カノン。呆れたような眼差しで『気楽なものね』とでも言いたそうな黒い小悪魔風ゴスパン衣装のミスティック★リリンに、魔法少女たちの様々な顔色を楽しそうに窺う隼鷹である。総数六名がビルの屋上に集った理由は、反逆の魔法少女同盟に指定されたからに他ならない。だが、呼び出した当人はまだ姿を見せていなかった。
 反逆の魔法少女同盟が渡した魔法用紙のアンケートは、夏休みの宿題だった筈。それが十一月まで遅れたのだから、約束事に疎いとしか思えない。不安が過ぎる中、リリンは静かに唇を開く。
「来ないなら、私はもう集まらないわ」
「そうね、人を見下して試すような問い掛けなんかに付き合ってられないわね」
 普段なら宥め役に努めるヴァッサァリヒテですら、憤りを垣間見せた。そんな中、夜空に声が響く。
「そんなこと言って、いいのかしら? 後悔しても知らないんだから♪」
 颯爽と空から降り立つのは、深紅の衣装から黒い見せパンを晒す金髪ネコ耳少女ミストラル。毎度ながら、やはり穿き忘れたとしか思えない装いがセクシーと例えるよりバカっぽい。彼女を中心に炎と水流が渦を巻き、二人の魔法少女が姿を現す。今にも喋りそうな禍々しい帽子に、ノースリーブのシャツとマントを纏った、ローライズの紐パンを晒すセクシーお姉さんなホノカ(炎火)と、小さなシルクハットを頭の上にちょこんと乗せた、水色ドレスに華奢な肢体を包む愛らしい少女だ。
「「「我ら! 反逆の……」」」
「おせえよっ! 呼んどいて遅れるって有り得ねぇじゃんっ」
 三人揃ってポーズを決めて名乗り上げようとする中、カノンがピッと指差し口上を阻んだ。ツマラナイ言い訳をされる前に、ヴァッサァリヒテが釘を刺す。彼女たちの存在に心底苛立ちを覚えているらしい。
「時間を割いて記入したのよ、さっさと宿題の答え合わせをしてくれないかしら?」
 うぅ〜っ! と小さく唸るシルクハットの少女。
「……参加者の評価が落ちる要因では致し方ないなのです」
 どうやら“天の声”を聞いたらしい。彼女がステッキを振ると、魔法少女たちの手から五枚のアンケート用紙がパタパタ羽ばたきながら返る。なかなかシュールな光景だ。
「じゃあ、読むなのです……ミストラルとホノカも手伝うのですっ」
 まさかの現地採点である。三人の周囲を魔法用紙が羽ばたき、それぞれ一枚ずつ目を通す。そんな中、隼鷹は思う。ヴァッサァリヒテが言ったように、この宿題は見下して試すような問い掛けに他ならない。つまり、反逆の魔法少女たちは通常では知り得ない何かを把握しているのだろう。言わばこれはテスト。悪趣味だが、優越感を満たす趣向でもあり、恐らく元は人間の少女たち。まあ、我らが魔法少女たちの答えが的を射ていたなら、どんな表情を見せるか楽しみでもある。少年はリリンに期待の眼差しを注ぐが、夏の外れっぷりから応えてくれそうもなさそうだ。対して不敵に微笑むヴァッサァリヒテの真意も気に掛かる。彼女の揺るぎない自信のようなものはなんだ?
 沈黙から数分。シルクハットの少女が紙面から顔をあげる。
「やはり把握してないなのですね★」
 魔法少女たちの反応は薄かった。沈黙の中、ミストラルがヴァッサァリヒテをビッと指差す。
「とくにあんたっ! 記入漏れが二か所もあるんだからっ! しかも逆に訊き返してるしっ!」
「記入漏れじゃないわ、無回答よ。ナビとの契約に疑問? 感じる必要がないわね。あなたたちにはあったのかしら?」
 問い掛けにリリンとカノンが『えっ?』と眼差しを向ける。どうやら疑問は感じていたらしい。
「そもそも、イキナリ魔法少女になってよ! とか言われて、疑問を感じない人のほうが少ないと思うわ」
「何かの漫画みたいだったから、気にならない事はなかったけどな。でも、ティナーは結局悪い奴じゃなさそうだったし、オレは信用するぜ?」
「わたしもうさちゃんがとっても良い子だから、受け入れていいと思ったよ♪」
「わたしは漫画を読んでて、魔法少女になりたいなぁって思ってたらキキがやって来たから……」
 コットンキャンディとひよりんは、素直に受け入れたらしい。だが、ミストラルは『おバカさんたちねぇ♪』と言いたげに小首を竦める(穿いてないくせに)。
「まあいいんじゃない。それほど重要でもないんだから☆」
「えーと、次はマジカルセグメントの認識に関してかしら?」
 ホノカが先を進めようとすると、またしても金髪ネコ耳少女はヴァッサァリヒテを指摘する。
「あのコの未記入の一つなんだからっ」
「あなたたちは理解しているのかしら? 人を見下し試すような問いかけに答える価値なんてないわね」
 喧嘩腰で問う中、カノンが苦笑しながら髪をポリポリ掻く。どうやら未記入だったらしい。
「…………えっと、だな。その…………な、何だっけ?」
「カノンちゃんっ、まさか忘れてたの!?」
 驚くひよりんにコットンキャンディが不安そうに自分の意見を伝える。
「わたしね、出来なかった事が出来る事って思うんだ。……そんな事しかわかってないけど、駄目?」
「マジカルセグメント……魔法区分の意味から考えるに、魔法使いの住み分けじゃないかしら。こっち側とアースティア側で区分するみたいな……」
 リリンが自分の意見を紡いだ。隼鷹としてもアンケート用紙を見せてもらったわけではないから助かる。
 それぞれの考えを聞く反逆の少女たちは愉快そうに見えた。
「出来なかった事が出来る事、ね。その答えは限りなく正解に近いですわ。魔法が作用するのは、萌葱の中だけなのですから。マジカルセグメント……それは萌葱の町そのものですの」
「萌葱の中……だけ? そんな筈ないわ。私は他の地方にコンサートで……ッ!?」
 リリンの動揺にミストラルが愉快そうに割り込む。
「コンサートなんて初めから行ってないのよ。あんたは魔法という夢の中で萌葱から出たと認識させられただけなんだから。萌葱の外じゃあんたの人気は昔のまま……寧ろ下がってるかもね」
 ――なんだって!?
「ま、待ってくれ! 俺はテレビでゆかりちゃんを観ている! それも全て魔法だっていうのかよ?」
「なによ餌のくせにっ、質問しないでほしいんだからっ。喰われちゃう前に教えてあげるわ。全て魔法よ。萌葱の民には人気絶賛のアイドルも魔法のおかげ☆ あんたが彼女を好きなら、それも魔法効果かもね♪」
 ――けどさ、ゆかりちゃんって学校じゃアイドルオーラ薄いよなぁ。
 隼鷹は愕然と立ち尽くした。全てが箱庭の中で繰り広げられた偽りの現実。化物の餌なんて境遇が生優しくさえ思えた。リリンに眼差しを向けることが怖い。
「……どうして同じマジカルエンプロイヤーのあなたたちに、そんなことが分かるのかしら?」
「そもそもの発端と地球側とアースティア側の密約を知ったから、ですわ。ピュアパーティクルのことを誰に聞いたか分かりませんが、地球の人類を護るためにピュアパーティクルを放つ特異体をパディトリーの餌として一か所に集めましたの。それがこの町……萌葱ですわ。そんな町が各国に密かに造られていますのよ。妙に広い町だと思いませんでした? 町そのものが魔法で隔離してあるのかもしれませんわね」
 ホノカが自嘲するような表情を浮かべると、ミストラルが継ぐ。
「要するにあたしたちもピュアパーティクルを放つ特異体なわけ。マジカルエンプロイヤーに選ばれるか、餌のままかはナビ次第なんだから。んー? 適正ってやつ? 人類は平等じゃないのよ♪ 可哀そうだけどね☆」
 優越感たっぷりに隼鷹へウィンクを投げた。そんな中、珍しくひよりんが割り込む。表情から不安が窺える。
「ちょっと待ってっ! お父さんや、お母さんもピュアパーティクルがあるの?」
「そんなの知らないわ。萌葱の住人の全てがピュアパーティクルを放ってるわけじゃないんだから」
「家族として仕方なく萌葱に隔離されたかもなのです★ ナビなら知っていると思うなのですよ」
 シルクハットの少女がフォローした。ナビ……アースティアからの遣いである存在。
「……根本的な答えになっていないわ。どうしてそんなことを知っているのよ?」
 リリンが震える声で問う。信憑性を疑っているのかもしれない。
「ナビに聞いたのよ♪ あたしたちはあんたたちのような二期か三期のマジカルエンプロイヤーと違うんだから☆」
「当初人間界に送り込まれたナビは、人間がマジカルエンプロイヤーになってパディトリーと戦う条件と引き換えに、無制限に魔法の力を与えましたの。そして疑問にはなんでも答えてくれましたわ。その結果、魔法は欲望に悪用され、邪魔なナビは殺されることもあった……。ナビが死んだら魔法が解けるなんて嘘ですわよ。そのような教訓から、あなたたちのマジカルスキルは制限されていますの」
 マジカルスキルは選択制であり、技量に合わせてナビに宣言することで修得できる。魔法少女たちが呆然とする中、ヴァッサァリヒテの美貌に動揺の色が滲む。
「制限ですって? そんな筈あるわけないわっ! だって……っ」
「……そうでしたの☆ 事実としてわたくしたちは、あなたたちを遥かに凌駕する魔法を修得しておりますわ。それ以上の言葉をお望みかしら?」
「……ッ」
「だからナビの契約に疑問を感じなかったか訊いたんだから♪ 悪い奴じゃない? いい子だから?」
「よしなさいミストラル。ナビが用意周到に選んだ結果ですわ。気をつけなさい、ナビはマジカルエンプロイヤーの契約を破棄できる可能性が高いですの。下手な質問は命取り、ですわ☆」
「向こうが騙しているのですから、こっちも賢くやり過ごせばいいだけなのです★ そうすれば、出来なかった事が出来る魔法の世界は続くのですぅ♪」
 シルクハットの少女が気楽に纏めた。
 世の中には知らない方が幸せなこともある。この事実は知らなかった方が幸せだったのであろうか? 少なくとも魔法少女たちはショックを受けたようだった。沈黙が過ぎる中、隼鷹は訊ねずにいられない。
「パディトリーはどうして俺を……ああ、餌ってのは分かった! 目的はそれだけなのかっ!?」
「単なる本能による捕食、に見えるけど。知性的なヤツはあまり見たことないし、理性的なのはもっと無いし……」
 少年の疑問に力なく答えたのはリリンだった。次いでコットンキャンディが小首を傾げる。
「おなかが空いてたのかな? ……じゃなくて人だけを襲うなら、人に関係する何かがあるのかな?」
「ピュアパーティクルとかいう光を持ってる人を襲って、そいつを全部消そうとしている。って事だろ? もちろん隼鷹兄はオレが守るぜっ☆」
 カノンが“ニカっ”と微笑みながらフォローした。ちょっとぎこちないのは、ナビの話のせいか。
「考える必要がないわね。降りかかる火の粉は払うだけよ!」
 ヴァッサァリヒテが言い放つと、シルクハットの少女が眼差しを向ける。
「パディトリーに関しては謎が多いなのですが、皆さんは『オビィディント』なるマジカルエンプロイヤーの存在を知ってるなのです? オビィディントはアースティアのマジカルエンプロイヤー集団で、パディトリーの襲来を神の審判と唱えているなのですよ」
「つまり、パディトリーが人間のみを襲うのは、神が人間を不要と判断したからという見解らしいですわ。だから裁きを受け入れろと布教しているそうよ。オビィディントは兎も角として、アースティアではピュアパーティクルを放つ人間の捕食が完了したあとは、全ての人間が標的にされると予想してますの」
 予想はナビに聞いたのですけど……と、ホノカは付け加えた。
 どうやらアースティア側も一枚岩ではないらしい。そして、パディトリーの目的予測があったからこそ、萌葱の民はマジカルエンプロイヤーに護られているのだろう。パディトリーに餌を喰わせて人類の根絶を免れるなら、国家代表といわれる輩たちは特異体を喜んで生贄として捧げたに違いない。
「それでは、あなたに直接訊くなのです」
 シルクハットの少女が、ヴァッサァリヒテを捉える。
「パディトリーを全て退治したら、どうなると思うなのです?」
「今度は自分たちが始末される、故に反逆した……と、でもいうつもりかしら?」
「えぇっ!? こっちとあっち、両方の世界が救われるんだろ? 始末って誰にだよ? まさかアースティアのマジカルエンプロイヤーにか!?」
 カノンは素っ頓狂な声で動揺を露にした。落ち着き払った響きでリリンが諭す。
「慌てないで……。パディトリーは少なからず魔法的な存在だと思うから、完全にこちら側から排斥したら、アースティア所縁の魔法しかなくなり、それで区分けができるんじゃないかしら?」
「パディトリーが増える事はなくなる、かな? それが良い事につながるかはわからないけれど……」
 コットンキャンディが自分の考えを告げた。シルクハットの少女は“こくり”と頷く。
「人類にとって良いことなのです。でもボクたちが反逆した理由は、あなたの予想に近いなのです」
 眼差しが捉えたのはヴァッサァリヒテとカノン。ホノカが話を継ぐ。
「パディトリーが全て退治されたら、両方の世界が救われますわ。そしてアースティアは魔法の干渉を解きますの。人間界に魔法を残す必要ありませんでしょう?」
「だから魔法が終わっちゃうんだからっ! アンタたちだって魔法少女になって夢が叶ったんでしょ? 幸せなんでしょ? パディトリーを倒しちゃったら、魔法は消えちゃうんだよ? それでいいの!?」
 ミストラルは切実に訴えた。漫画やアニメでも目的を果たした魔法少女が地球で永遠に魔法少女だった実例は少ない。まして別世界の干渉によるものならば本来は必要ない力であり、アースティアにとっても負担といえよう。
「なにを言ってるのかしら? 約束を破っているのはあなたたちじゃない」
 ヴァッサァリヒテが呆れたような笑みを浮かべる。
「魔法少女になって幸せとか不幸とか、そういう考えがまずズレてるのよ。先払いで契約を履行してもらっておいて後から『騙された』『不幸になった!』だの言いだすのは、それこそ卑怯だわ」
「そんなのやだよっ!!」
 震える声で叫んだのは、ひよりんだった。魔法少女たちの眼差しが彼女に集束する。
「やだよ……魔法が消えちゃったら、お父さんやお母さんがまた喧嘩しちゃう……もうあんなの見たくないっ!」
 ホノカは待ち侘びたように妖しい微笑みを浮かべ、手を差し伸べる。
「なら、私たちの仲間になりなさい☆ あなたには全てを凌駕する可能性が残っているのですわ。そう、マジカルスキルを一度も修得せず、一年を迎えたあなたには、絶対の魔法を得る権利がありますの♪」
「絶対の魔法? 魔法が消えないなら、わたし……」
 ひよりんがホノカの許へ覚束ない足取りで向かう。カノンは戸惑いから動けなかった。
「ひより……?」
「ヴァッサァトルネェェェェードッ!!」
 ヴァッサァリヒテの三又パルチザンが水流を放ち、ひよりんを背後から襲う。
「キャアアアァァアッ!!」
 叩き込まれた容赦ない鉄槌に、柔肌から鮮血を散らして悲鳴をあげた。ミストラルが割り込み、風の魔法で水流を容易く弾き返す。
「それがあんたの答えっ? 仲間だったコを攻撃するなんて、いい度胸なんだからっ!」
「敵対するのなら誰であろうと容赦しないわ! リリン、カノン、コットンキャンディ、あなたたちだって例外じゃない」
 得物を仲間たちに翳して身構えた鬼気迫る姿に、隼鷹は困惑せずにいられない。
「勇魚姉さんっ! 落ち着けよっ、なにやってんだよっ! 後輩だろ? まだ敵に寝返ったわけじゃねぇよっ!!」
「ジュン……ッ!?」
 夜の景色がモノクロに塗り替えられ、少年の姿が消える。魔法少女たちは異変に眼差しを研ぎ澄ます。
「パディトリーが出現したのね。私は捕食ターゲットを保護するわ」
 リリンは役割を告げてビルの端へ向かった。コットンキャンディが後に続く。
「わたし、パディトリーを退治するよっ」
「カノン……っ! 先に行くわよ……」
 ヴァッサァリヒテの呼び掛けが届いていないかのように、少女はただ呆然と立ち尽くしていた。ひよりんの仰向けに倒れている姿が、ミストラルの背後に覗く。ホノカが傍に寄り添い、魔法を唱えていた。
「日和は……大丈夫なのかよぉ?」
「命に別状ないわ。あんた、一番やりたかった事が叶ったんでしょ? 失っても知らないんだからっ」
「……んなこと、わかんねぇよぉ。日和っ! 戻って来るからなっ!」
 飛翔魔法でビルから飛び立つカノンの背中が、ひよりんの虚ろな瞳に映る。
「歌音、ちゃ、ん……」
 少女は届かぬ手を伸ばしながら、闇に堕ちた――――。

●守るべきもの
 モノクロの世界に映える艶やかな金糸の長髪を舞い踊らせ、リリンはアクロバティックに躍動しながら路上を跳び駆ける。向かう先は大通りの児童公園。彼女の上空をヴァッサァリヒテが飛翔魔法で追い越し、カノンが続く中、両腕を後方に伸ばした前屈み気味のコットンキャンディが“たたたたたっ!”と駆け抜けた。俊敏さで劣るものの、焦りの色は窺えない。
「いたわ……!」
 モノクロの公園を捉えると、薄気味悪いマスクを被り、黒いマントを纏う小太りな男のオロオロ狼狽する姿が見えた。彼の容姿を目の当たりにした少女たちは、躯の芯に警鐘を覚えずにいられない。だが、背後から現れるドロドロした感じのパディトリーが狙っているのは紛れもない事実であり、彼女たちが守るべきターゲットだ。上空から急降下と共に、カノンが先制の廻し蹴りを放つ。男は少女の声に振り向いた。
「カノンっ、キイイイィィィィッックっ!!」
 炸裂した攻撃に、黒いスライムのような化物が粘液を散らして衝撃に“ぐにゃり”と歪む。ダメージを浴びせたものの、カノンは美貌を粘っこい感触に強張らせ、背筋に“ぞぞぞっ”と悪寒を迸らせた。
「ひいぃぃぃっ! キモいっ!」
 飛び退き空へ舞う姿を男は見上げ歓喜する。
「お、おんなのこっ!? おぉっ! パンツが丸見えだぁ♪」
「わっ! バカ見るなっ!」
 慌てて短いスカートを両手で庇い、頬を染めるカノン。そんな中、靴音と共にコットンキャンディがパディトリーと距離を置いて対峙する。忽ち男のマスクは小柄な十五歳の少女に注がれた。
「ああっ! またおんなのこがっ! このコスチュームは魔法少女っ? か、かわゆいっ!」
「おじさん、来ちゃだめだよっ! マジカルスキル『命中看破』っ!」
 ステッキを化物へ向けて叫ぶと、煌めく閃光が黒い粘体に風穴を開ける。ダメージを確信した美貌に笑みが咲いた。彼女は戦闘に夢中で気づいていない。はぁ★ はぁ★ と息を荒げる男が迫っていることに……。
「ちょっとあなた……っ」
 呆れたような少女の響きにマスクを向ける。彼の眼が捉えたのは、リリンの姿だ。
「喰われたいの? 危ないから後ろに……聞いてる?」
 マスク越しに覗く血走った眼に、訝しげな色で訊ねた。しかし、男の耳に彼女の声は届いていない。目前の金髪美少女に興奮していたのだ。小柄で清純そうな容姿ながらも大胆に白い柔肌を晒す胸元の小振りな膨らみに昂り、華奢な体躯に吸いつくような黒い小悪魔風ゴスパン衣装のミニスカートから覗く“むちっ”とした太腿もエロい。大人っぽい雰囲気と可憐な容姿が危うい色香を発散していた。
「うわあぁーっ!! 怖いおぉっ! 助けてえぇっ!」
 彼はリリンの両脚に飛び込み、タックルを見舞う。魔法で強化されているとはいえ、華奢な肉体は小太りな男の衝撃に耐えられなかった。咄嗟に退こうとした挙動も相俟って、体勢を崩して倒れ込んでしまう。
「きゃっ! あなたっ!? ひんっ!」
 男はリリンに抱きつき、マスクを股間へ埋めて“すりすり”と顔を振る。公園へ繰り出した本来の目的をどさくさに紛れて果たそうとしていたのだ。彼女は触覚性感体質のヘンタイさんである。何故か最近修得した『あぶないボディー』も相俟って、ゴツゴツした硬い感触に責められたら嫌悪しつつも感じずにいられない。
「やめ……っ! んんっ! あっんっ」
 涙目で頬を染め、男の頭を押さえながら訴える中、ゴツイ手が小振りな膨らみを鷲塚むべく迫る。このまま悪戯されると悟った次の瞬間、彼の手をしなやかな指が掴み、男の頭が股間から引き剥がされた。
「はい、そこまでよ。リリン、こんな例外に動揺してどうするの!」
「ヴァッサァリヒテ……? くっ!」
 リリンは男を睨み、辱めに怒りを滲ませる。今にも彼の股ぐらを蹴り上げそうだ。
「リリン! 私たちの敵はパディトリーよ! こいつ個人を助けるんじゃないわ、みんなが守りたいと思ったものを守るための戦いなのよ。これは! ……あとは任せて」
「は、放せっ! ババアっ! ビキニ甲冑はロリっコ専用なんだよっ!」
 ピキッと何かが壊れるような音がヴァッサァリヒテの美貌から聞こえた気がしてならない。ロリコンには彼女の魅力は伝わらなかったようだ。リリンが薄く微笑む。
「ヴァッサァリヒテ……こいつ個人を助けるんじゃないのよ、ね?」
「え、ええ……そうよ☆」
 強張る美貌の微笑みにリリンは背中を向け、カノンがエンジェルブレス(エレガントオーラ)を放つ中、コットンキャンディと共にパディトリーへ閃光を叩き込んだ。化物は苦痛に悶え、弾けるように失散した。
「日和ぃぃぃっ!!」
 パディトリーの消滅を確認すると、カノンはそのまま飛翔魔法でビルへ向かう。魔法少女たちが後を追う中、彼女たちの瞳に反逆の魔法少女同盟と佇む日和を捉えた。ハロウィンの仮装に戻った少女の首には枷のような鎖が覗き、捕らわれの雰囲気が色濃い。
「日和っ!?」
「歌音、ちゃん……」
 二人の眼差しが困惑に交錯する中、ホノカが少女の傍で微笑み促す。
「さあ、あなたの意思を示しなさい☆ 唱えますのよ!」
 日和は戸惑いながら“コクリ”頷き、首輪に繋がれた鎖を握った。
「歌音ちゃんっ、わたし、魔法を消したくないっ! カースマジカルチェンジっ!」
 ――カースマジカルチェンジっ!?
 魔法少女たちが困惑と驚愕に瞳を見開く中、ヴァッサァリヒテが戦慄の色を弾けさせる。
 彼女はアースティアの伝説として、カースの魔法をおとぎ話のように聞かされていた。契約と共に強大な魔法を付与される禁断のロストマジックアイテム。唱えたマジカルエンプロイヤーは願いと引き換えに呪いを受け、死ぬまで解けることはない。
「日和……なんてことを……っ!!」
 首輪から鎖が無限のように引き出されると、蛇のごとく少女の肢体に絡みつき、日和を禍々しい炎に包んだ。
「んああぁっ!!」
「日和ぃっ!!」
 接近を試みる魔法少女の行く手を反逆の魔法少女たちが阻む。そんな中、日和は十七歳の肉感ボディーに変容を遂げた。刹那、目の当たりにしたカノンが派手に鼻血を噴き、驚愕を弾けさせる。
「ひッ、日和っ!? ぶはああぁぁっ!!」
 漆黒の翼と鎧を纏うものの、たわわに実った胸の膨らみは過激に曝け出され、肢体は全裸に等しい。腰を包むスカートは機能を果たしておらず、恥部に張り付く貞操帯のごとき装甲板が卑猥だ。そのあられもない姿を突如視界に捉えることになった隼鷹も動揺せずにいられない。だが、周囲の状況と夜の外気が柔肌の撫でる感覚に羞恥を弾けさせたのは、望んで変身した日和自身でもあった。
「ふぇっ!? きゃあぁっ! なななななっなにこれぇっ!?」
 どうやら危うい挑戦を試みたわけではないらしい。胸元を両腕で庇い蹲る中、ミストラルが頬を染めながら叱咤する(見るのも恥ずかしいんじゃねーかっ)。
「あんたの意思はこの程度で折れるの!? こんなんじゃ願いなんて叶えられないんだからっ」
「あなたはダークひよりんに生まれ変わったのなのです♪」
 刹那、日和の瞳が闇に染まった。
「ダークひよりん……そう、だよね。わたしの恥ずかしい恰好なんて……願いに比べたら……」
「日和っ! ヴァッサァトルネェェェェードッ!!」
 ヴァッサァリヒテの洗礼がひよりんに放たれる。少女が手のひらを翳した次の瞬間、水流弾は幾つもの水滴と化す。ピンクのツインテールを靡かせる美貌が、微笑みを浮かべた。
「ひどいよ☆ 本気で攻撃するんだもん。今度攻撃したら、わたしも反撃するよ?」
 ひよりんは眼差しを魔法少女たちへ向ける。
「紫さん、勇魚さん、コットンキャンディちゃん、歌音ちゃん……日和のときは友達だよ☆」
「日和ぃぃぃぃぃぃぃっ!!」
 カノンが手を伸ばす中、反逆の魔法少女同盟と共に、ダークひよりんは消えた――――。


☆次回_魔法区分マジ☆セグ_2013_日常と非日常の中で(仮)


●ライターより
 魔法区分マジ☆セグ_シナリオ参加、誠に有り難うございました。切鎖傭刀です。
 新年、あけまして……いえ、なんでもありません(汗)。今年もよろしくお願いします☆

 お待たせしました。セカンドシーズン第三話いかがでしたでしょうか?
 イラストオーダー前提アクションの経緯を待たせて頂いた部分もありますが、新年早々、遅れてしまい申し訳ありません。取り敢えず絵師様変更を考慮して、イラストオーダー内容を演出したつもりです。

 さて、アニメもストーリー重視に移行すると季節イベントが省かれるものですが、一昨年にできなかった部分もあり、ハロウィンを絡めた学園祭を交えたわけですが……予想以上のハロウィン参加アクションに嬉しい悲鳴をあげさせて頂きました。前半(Aパート)と後半(Bパート)のギャップが激しいかもですが、楽しんで頂ければ幸いです。

 多分に混乱されたと思いますが、本来の設定の展開を含めてタネ明かしさせて頂きました。
 日和編は現在の設定と展開通りですが、隼鷹編でアースティア側のマジカルエンプロイヤー『オビィディント』が登場予定でした。反逆の魔法少女同盟とオビィディントにより、人間界(地球)とアースティア側の設定が露呈され、段階的にプレイヤーが二つの世界の真相を知るのでしたが(汗)。
 取り敢えず、反逆の魔法少女同盟が過剰に情報を得ていますが、過去にオビィディントと接触して対立したと解釈して頂ければと思います(いわゆる裏設定ですね(苦笑))。

 簡単に要約すると以下のようになります。
・パディトリーを全て退治したらアースティア側は人間界との干渉を解き、魔法は消える。
・パディトリーの目的は人類殲滅かもしれない。
・パディトリーが出現する限り、魔法は失われない。
・人類が滅亡してしまえばアースティア(人間の想像力が深く関与している世界)も滅んでしまう。
・人間界から魔法が消えれば、事象はリセットされる(記憶が消えるわけではありません)。
・現状として反逆の魔法少女同盟と日和は人間界から魔法を消したくない。
・日和のカースマジックは死ぬまで解かれない。

 知らなくても問題ない情報
・オビィディントはパディトリーの襲来を神の遣いと解釈して受け入れようとしている。
・カースマジックアイテムはアースティアで造られ、ロストマジックとして封印されたもの。
・反逆の魔法少女同盟はアースティア側に行くことができる。
・反逆の魔法少女同盟はアースティアで暗躍し、ロストマジックのことを知った。
・反逆の魔法少女同盟にナビはいない(殺した)。

 ……こんな感じかな(と、数年前のテキストから抜き出してみる)。
 四クールの作品が二クールに短縮された感じがアレですね(汗)。

 さて、皆さんが今後の物語を紡ぐうえでの課題は、『日和』と『魔法』です。
 ちなみに日和のカースマジックフラグは、開始当初から確定したものではありません。高飛車で強引なキャラクター属性で、日和の好感に値しており、「あんたは私たちをフォローできるように、●●のマジカルスキルを修得しなさいっ」とでも促せばクリアできました。
 とはいえ、反逆の魔法少女同盟に与する展開は変わりません(ええ、例え最弱だとしても)。
 これがマジ☆セグのテーマだからです。
 当時、切鎖は最終回と共に魔法を失うことを理解する魔法少女作品に疑問を抱いてました。もっと人間の本質は自分本位で我儘じゃないだろうかと(苦笑)。
 そんな経緯から魔法を永続可能な舞台としてマジ☆セグを作り、皆さんのキャラクターを巻き込みました。深刻な奇跡魔法を設定された方は、これからのキーパーソンになるかもです。
 日和を解放するアイテムなんてありません。皆さんの説得次第です。他にも手段はありますが伏せておきます。
 もちろん、敵対ではなく、日和サイドに移る選択も不可能ではありません。最強の日和も賛同してくれる仲間を得れば、絶対神として君臨してくれるでしょう(笑)。
 切鎖はマジ☆セグを道徳心や感動に溢れるきれいな作品に強制する気はありません。結果的に次回が最終話になっても問題ありません。
 ただ、興味本位の悪戯でキャラクターを動かすことは避けて頂ければ嬉しいです。奇跡魔法で願いが叶った本人として、考えて行動して下さい。

 そして次回ですが、アクションに間に合うのは『バレンタインデー』と『ひな祭り』でしょうか。
 amの売りとしては隼鷹を絡めたバレンタインデーもアリですが、みんなで集まってひな祭りのおとそで酔ってさあ大変(笑)ってのも可能です。いずれにしても、えっちぃシーンにお約束な挿絵(イラストオーダー)をお忘れなく☆
 ちなみに日和は終盤で伝えたように、変身しない限りは普段通りに接してきます。状況に合わせて使い分けているというより、魔法の呪いで心配ごとが拭われている感じです。
 次回オープニングも踏まえてアンケートしますので、評価の際にお伝え下さい。


・天城 紫ちゃん
 祝? 夏のB級人気投票マキア一位おめでとうございます!
 まさかマキアが一位とは予想外。これではマキアのアクションを無碍にできないじゃないかっ。
 小悪魔チックな黒猫コス拝見したいものです☆ そしてシーンイラストは初のB地区が露に!?
 ……っていうか、どうした紫ちゃん(笑)まるでチャームの魔法に掛かったように発情してるぞっ。
 ちなみに『人気絶頂のアイドルになる奇跡魔法』はコントロール可能です。アクションに記されていなかったので学園や町で騒がれることは控えていましたが、これまでは潜在的に“仕事以外では騒がれたくない”と願っていたと解釈して下さい。騒がれるアイドルを希望でしたらアクション時に伝えて頂ければ幸いです。
 それにしても、あぶないボディーまで修得して隼鷹に迫るとは、策士ですね。
 紫ちゃんの場合、奇跡も箱庭限定と発覚したわけですが、今後はどうするっ!?


・橿原 勇魚ねえさん
 先ずは夏のB級シーンイラスト、堪能させて頂きました☆ アイアンメイディは意外でしたが、柔肌にヘコミを描く凶器のエロさと恐怖が表情から滲みでてグッジョブです。
 ハロウィンのエロい花嫁コスも拝見したいものですね。イメージを損なっていなければ幸いです。
 さて、唯一のナチュラルなわけですが、アースティアの者で王族だから知っている、という不明確なアクションはNGですから注意して下さいね。メリットは初期能力値の特典以外にないと思って下さい。
 カースマジックアイテムに関しては、リプレイに記された部分のみ知っていたとしてOKです。
 NPC(オフィシャルキャラクター)がお気に召さないようですが、反逆の魔法少女の出番でヒロインたちの出番が文字数で削られているわけでもありませんのでご了承下さい。今後はイラストが増えたり、要望がない限り、日和一人で戦力は充分なので反逆の魔法少女の登場は少なくなります。
 複数アクションを認めてますが、三行程度で分散させるのは控えて頂ければ助かります。今回はイラストアクションを踏まえて演出に努めましたが、纏めるのが大変でした(笑)。
 さて、スタンス的にも大変ですが、今後の行動に注目してますね。


・白倉 歌音ちゃん
 今回も日和も描いて頂いて有り難うございます☆ 髪型を変えるのはナイスアイディアですね♪
 それにしてもなんてギリギリなコスチューム(笑)この恰好を注意しない学校側もスゴイ。
 マキア関連は微調整して演出しましたが、“ぽろり”はイラスト化されるかっ(爆)!?
 ただのエロいハプニングに終わらず、萌葱のハロウィンを選択しない動機にもなっており、アクションとしても巧く纏まってました。
 さて、日和が大変な状態になりましたが、どうする歌音ちゃんっ!?
 校内であわれもない姿を晒しちゃったけど、どうする歌音ちゃんっ!?


・五十嵐 ありすちゃん
 清涼剤のような純真で可愛いお姿、拝見させて頂きました☆ 魔法少女の姿も気になりますね。
 ……というか、初回で本名も伏せていたので変身前の姿は知られないようにしているのかなと判断して紡いでますが(そのような意図だった場合、変身前の姿で登場させると取り返しがつかない為)、変身前の姿でも会っていたとするのは可能なので、お伝え下さいね。
 あと、打ち合わせ掲示板を使ってますか? 選択肢を絞るのは寧ろ良いことですが、日和との行動を重視するのなら、日和のクラスのハロウィン祭に遊びに来る行動は可能でした。いえ、選択肢を絞った分、活躍が減ってしまうのもアレかなーと。
 お菓子の交換も打ち合わせ掲示板で『みんなとお菓子の交換したいから、なにか交換するお菓子を書いてくれると嬉しいかな』みたいなカキコミをしたら、キャラクター同士のお菓子交換が演出できたかもしれません。
 さて、ありすちゃんも深刻な奇跡魔法を成就したわけですが、どうするっ!?

 それでは次回、また会える刻を楽しみにお待ちしていますね♪
 楽しんで頂ければ幸いです。よかったら感想お聞かせ下さい☆


<天城 紫様ご感想公開用>
 みんなのエロかったり可愛かったりするハロウィンが見れて楽しかったです。
<橿原 勇魚様ご感想公開用>
 執筆お疲れ様です。今回も色々無茶を聞いてもらいすいません。
 物語は一気に進んだ感じで楽しく読ませていただきました。日和に加えて勇魚も一線超えちまいましたなぁ、ははは…
<白倉 歌音様ご感想公開用>
 前半はみんな揃って衣装がきわどかったり(笑)マキアがドタバタを巻き起こしたりと楽しい光景でわくわくと、後半は裏事情の公開と日和の立場変更と、色々と話が進んだと思われる物語性で楽しませてもらいました。
シナリオリストトップに戻ります